あたしがそう言うと、伊織は少し意外そうな顔をした。 「ずいぶん殊勝なことを言うんだな」 「別にそんなんじゃないよ! ただ、使い慣れたベッドの方がよく眠れるんじゃないかと思っただけ」 慌てて言い訳したけど、伊織はそれを聞いて笑った。 「俺は枕が変わったからって眠れなくなるタイプじゃない。 それとも……」 伊織はニヤリといやな笑い方をした。 「一緒に寝て欲しいのか?」 なっ! 「なに言ってんの! そんなわけ……」