伊織はまだ仕事をしていた。 書類を前に腕組みしている。 「ねえ」 あたしが声をかけると、こっちを向いた。 「ベッド、あたしが使っていいの?」 「ああ、押入れに予備の布団がある」 「ふうん……」 あたしは頷きながらもその場に立ち尽くしていた。 「なんだ?」 「いや、居候なのにベッドを使うのは悪いかなって思って……」