「な、なんかって、何があるのよ?」 鼓動が早まったのを気づかれないように、平静を装って聞いた。 伊織は、リビングの入り口に立ち尽くしてるあたしの横を通ってキッチンに入った。 見ていると、冷蔵庫を開けて缶ビールを取り出した。 「おまえは未成年だもんな…… ミネラルウォーターとウーロン茶ならあるぞ」 そう言われたけど、あたしは首を振った。 「あー、やっぱり、今はいい」 「そうか。 じゃあ、飲みたくなったら勝手に飲め」