「どうだ? 納得したか?」 伊織の問いかけには、返事をする気にもなれなかった。 ぐったりと席に戻り、味もよくわからないまま食事を終えて、あたしは伊織のマンションに連れていかれた。 あたしのスーツケースをひいた伊織のあとから玄関を入ると、目の前に廊下がまっすぐ伸びていた。 「それほど広くはないが、ひととおり案内する」 言われてサンダルを脱ぎ、伊織について奥に進む。 廊下をゆっくり歩きながら、間取りを教えてもらった。