なによ、セクハラ男のくせに! あたしはわざとスルーしてやったけど、伊織は気にもとめない様子で智代っちに話しかけた。 「お嬢様は5時まで、ということになってるから、連れて行くよ。 あとはよろしく」 「はい、かしこまりました。 お嬢様、お疲れ様でした」 智代っちは伊織に丁寧にまたお辞儀し、私にも微笑みかけてくれた。 あたしは自分も残業すると言おうと口を開いた。 しかし、伊織に腕をつかまれ、強引に倉庫から連れ出されてしまった。 「ちょ、ちょっと、放してよ! 痛いじゃない!」