【完】君色フォトグラフ

カキーン!!


快音が和由君のバットから響く。

ボールを必死で目で追う。

和由が打ったボールはライトとセンターの間を抜けていく。


「え?何!?すごい!」


興奮した私は、一人で叫んでいた。

だけどその声は周りの観客席の人たちの歓声に飲み込まれる。




ワアアアアァ




「オーーーーッシャアアア!」


ホームをトンと踏んだ二塁ランナーが両手を高く上げ、ベンチへと戻ってくる。



和由君は・・・和由君はどこ!?



慌てて視線を右にずらす。

砂埃の中、立ち上がる和由君の姿。

和由君は2塁にいた。


私は慌ててカメラを構えた。






撮りたい!

私、和由君を撮りたい!




ジシャ!





私のカメラに収まった写真。

それはベンチに拳を向け、無邪気に笑う和由君の笑顔だった。