【完】君色フォトグラフ

その日、私がカメラのレンズ越しに見たかったのは和由君だった。


『いつも姉ちゃんに隠れちゃうから』


そう言った和由君。

もしそれが本当なら、誰にも見られずに野球をしている和由君は、私みたいに自信がなくて寂しい思いをしているんじゃないかってそう思ったから。


和由君がどんな表情で野球をしているのか、とても気になった。




カキーン・・・・・・
カキーン・・・・・・



フリーバッティングの練習が始まった。

私は腰をあげ、ファインダーを覗いた。


ドキドキしながら、レンズを回していく。