小さい頃から満里奈は私の憧れだった。

無邪気で、明るくて何をしても可愛がられた。



だけどそれはいつしか、私のコンプレックスへと変わっていった。


満里奈と一緒にいると、友だちは寄ってくるけど、誰も私を見てはくれなかった。




だから私も見なかった。



遠ざけた。


そしていつの間にか人に近づくことが、触れることが苦手になってしまった。


いや、唯一見てくれる人はいた・・・けど、その人も・・・・・・。



思い出すだけでも身震いがする。


「どうして今・・・今、思い出すの?」


私はブルブル震える体を両手でギュっと抱きしめた。






帰りのバス。

満里奈の姿は無かった・・・・・・。