【完】君色フォトグラフ

「あ、あの。ハル君?歌ってるとこ悪いんだけど・・・・・・」


「ん?何?」


「あのね、柚さんってまだ帰らないのかな?」


「柚さん?柚さんならもう帰ったよ?」


「あー・・・そっか」


「何か用事だった?」


「あ、あのね。この帽子返そうと思って・・・・・・」


私は後ろに隠していた帽子を、おずおずとハル君に見せた。


「帽子借りたの?」


「うん。だから返したいなって思ってて」


「ああ、そういうことなら、まだ和由が部室にいると思うよ。渡してもらいなよ」


「あ・・・でも」


「じゃ、俺先に帰るから!」


ハル君は自転車に乗って、校歌を歌いながら帰ってしまった。