【完】君色フォトグラフ

帽子のつばの裏に書かれた文字。

何度見ても和由。



どうして?




「和由って、確か汐崎柚の弟だよね?りんが眼鏡投げつけた」


深山先生はプッと吹き出し笑いをし、ニヤリと私を見つめた。


「はい・・・・・・」


「りんのこと思って貸してくれたんだ?」


その言葉に顔がカッと熱くなる。


「でも!貸してくれたのは柚さんです!きょうだいだから、間違ってかぶってたのかもしれないですし」


必死になって否定する。


だってそんなわけないもん。


「・・・・・・懐かしいな」


「え?」


「ううん。なんでもない。きちんとお礼するんだよ」


深山先生は立ち上がり私の頭を優しく撫でると、自分が撮った空の写真をしばらく眺め、部室から出て行った。



懐かしい?



深山先生は何を思い出したの・・・・・・?