【完】君色フォトグラフ

「あの、大きい手だなって・・・それだけです。ごめんなさい」


私はペコっと頭を下げて、眼鏡をグイっとかけ直し教科書で顔を隠した。


「フッ。別に謝らなくてもいいじゃん」


ちょっとだけ笑った和由君。



・・・・・・今なら少し話せるかな?




「・・・・・・手の大きさって、野球で有利になったりするんですか?」


「うーん・・・・・・」


和由君はしばらく自分の手の平を見つめて答えた。


「関係ないな」


気のせいかな?

和由君の顔がすごく辛そうに見える。


「でかさなんていらない。俺はもっと・・・・・・」


和由君が消え入りそうな声で呟いた言葉は私の耳に届いた。

だけど私は聞こえないふりをした。

きっと和由君も私に伝えるつもりで言ったんじゃないと思う。

その証拠に、和由君はすぐに、ノートの板書をし出したし・・・・・・。




今思えばこの時、少しでも和由君の本当の気持ちを聞いてあげることが出来たなら、和由君はあんなに苦しまなかったのかもしれない。