Violet Moon


ガチャ…
あたしはお屋敷の中に入った。

赤い絨毯を敷き詰めた廊下。
あたしのお家と同じだ。


「あの…」
エネミーはお姫様に話しかけた

「何よ?」

歩きながら頭だけをエネミーに向けた。

茶髪に黒い瞳がエネミーを捕らえる。


「名前は…なんて言うんですか?」


一応、お姫様だっていうから
敬語を使ってみた。




「あっあなた
あたしを知らないの?」



急に止まり、体もエネミーに向けた。