「はぁ…」


私は、机に顔を突っ伏して、ため息をついた。


「もー!芽依、今度はなんなの?」


前の席に座ったしーちゃんが振り返って、呆れたように言う。


「私、矛盾してる」


小さく呟いた。




今日は、正直会いたくなかった。


気まずかったし、会ったとして何を言えばいいのかわからなかった。



…だけど。



いつものテラス席に結城さんはいなかった。

私、あの時すごくショックだったんだ。


同時に、すごく、
「会いたい」と思った。


おかしいよね?
矛盾してるよね?


だけど、そうなんだ。




私、拒絶されたのかなって、それがショックで。


不安だったから、いつもみたいに笑ってあそこに居てほしかった。


…会いたかった。




会いたいよ。
結城さん。




もう、お友達にも戻れませんか?


お節介でごめんなさい、もう何も言わないから。



「会いたい…」



いつもみたいに、「おはよう」って言って。