カフェまでの道が、すごく短く感じた。 いつもなら長く感じて、ちょっと走っちゃうくらいなのに。 気づけばもうあの横断歩道が見えて、私は下を向きながら歩いた。 どうしよう。 どんな顔して会えばいいの? わかんないよ。 私なんて、泣く権利だってないのに。 図々しいにも、程があるよね。 どんどん暗い気持ちになってきたけど、自然と足は進んでいて。 信号がいつも通り赤の横断歩道の前に立って、カフェの方を見た。 そして私は、立ち尽くした。 「……え?」 結城さんは、そこにはいなかった。