「あ、今日もいる…」




私は、信号が赤になった横断歩道の前で、そっと呟いた。



私、牧野 芽依。


3週間前、高校生になったばかり。

元気で明るい…まぁ要するに、どこにでもよくいる普通の女の子です。



今は、朝の8時くらい。

もちろん私は、学校へ向かうところ。


家からわりと近いから、学校までは15分。


駅前の人通りの多い道を通って行くんだけど…


いつも私は、この横断歩道の前で立ち止まって、ある一点を見つめる。