私の手にのっているのは、某お菓子メーカーのキャラメル。 「あ、食べれない?」 「いえっ!大好きです!!」 即答! だって本当に大好きなんだもん。 「ありがとうございますっ」 私は笑顔でお礼を言った。 ーーやっと、笑えた。 「こちらこそ。じゃあね、牧野さん」 彼は少し屈んで目線を私に合わせると、ちょっと悪戯っぽく笑った。 「え?!なんで名前っ…」 私が言いかけると、彼は私が肩にかけていた体操着袋を指差した。