「何ですかもう」 ため息をつきながら渉の方を見た。 「貰った?」 「え、なにをですか?」 主語が抜けていて、会話になっていなかった。 「その様子じゃまだ貰ってないみたいだな」 「何の事かわかりませんけど、貰ってないですたぶん」 思い当たる節も何も、無かった。 「ふーん」 渉は視線を茜の席の方に移し、やがて目を見開いた。 「はぁ……?」