暫くすると愛は手を洗いに行くらしく、タオルを引っつかみ教室から出て行った。
邪魔者が居なくなったあたしは高野君達と話をすることにした。
「ねぇねぇ、愛のことどう思うっ?」
口から出たのは愛のこと。
大体皆が言うのは、茜ちゃんと違って暗いよね。とかだった。
「あの人顔も性格もそんなには悪くないと思うけどな」
「俺もそう思う」
意外だった。
確かに双子だから多少なりと似てるかもしれないが。
「ふーん」
ムカムカした。
愛が帰って来たので、お弁当を食べる事にした。
愛のお弁当はベタだった。
好みが似てるからついつい食べたくなってしまう。
「うっわ、ベタ」
「うるさいですね、高野渉」
「タコさんウィンナー…案外アンタ、乙女っぽいところあるんだねー」
「渉、そういうこと言っちゃ駄目だよ。」
「え、だって優もそう思うでしょ?」
「いや…」
いつの間にか、3人が喋っていた。
取り残されたあたしは、気を引くため愛の卵焼きを掻っ攫う事にした。
「あ、卵焼きだ。もらいっ」

