「何見てんの?」 「いや、別に?」 「ふーん」 そよそよと鶴田の髪が揺れる。 校庭では、箒持ちながら、ちゃんばらごっこや鬼ごっこしてる生徒たちがいたり、 それを注意する先生がいたり。 色んな声が混じって耳に入ってくる。 気のせいかもしれないけど、鶴田の横顔は少し寂しそうだった。 「ね、鶴田の高校の制服、学ラン?」 「んいや、ブレザー」 「ふーん。何色?」 「紺」 「へー」 「お前は?セーラー服?」 「ううん、ブレザー」 「ふーん」 ふーんってさ。 いいけど。