花とアイドル☆《完》

――え……あたしなんか変なこと言ったぁ?


おろおろする花乃をよそに、拓斗はまだクスクスと笑っている。


しばらくして、ようやく気がすんだらしい。

瞳の端にたまった涙を拭いながら、拓斗は楽しくて仕方ないというような明るい声で言った。


「いやー、花乃さん、サイコー!

来てくれたのが花乃さんみたいなコで、ほんとよかったわ」


「え!?」


――ど、どーゆーコト!?


「あの、あたしほんとに覚えてなくて……」


「ああ、こっちこそごめん、
変な言い方して。

たしかにオレ達、会ったことはないよ」