花とアイドル☆《完》

結局、しばらく考えを巡らした
けれど、思い当たることは何ひとつなくて。


「……えと。

たぶん、会ったことはない……と思うんだけど…」


おそるおそる、答えると。


拓斗は、驚いたように少しだけ目を丸くした。


そして、次の瞬間。


「――プッ………くっくっく」


急にスイッチが入ったように、お腹をかかえて笑い出す。