花とアイドル☆《完》

「なんか、すっごいおだやかな
時間って感じ?」


「アハ、そーだね♪」


肩を寄せ合うように座って、
そんな会話をしていると。

ふいに拓斗がサングラスを外して
、花乃の頬に音をたててキスを
した。


びっくりして首を縮める花乃を
やんわりと拘束して、もう一度、
唇に。


「だ――誰かに見られるよ……」


徐々に深くなるキスの合間に、
吐息のような声で花乃がそう
言ったけれど。


「だいじょーぶ。

誰もいなかったよ」


その一言ともう一度降ってくる
キスが、花乃のそれ以上の言葉を
奪う。


ひとしきりのキスの後、拓斗が
冗談めかした声で囁いた。


「ね、今夜はこのままどっか
行っちゃおーか?」


「何言ってるの。

たっくん、明日はまた早朝から
お仕事でしょ」