花とアイドル☆《完》

日帰り滞在の予約をしておいた
旅館の庭がとってもステキで、
散策に夢中になっているうちに、
出発の予定時間を大幅に過ぎて
しまったのだ。



「どーせ、お庭に見とれてた
あたしが悪いんだもん……。

走るのも遅いし……」


ロコツにいじけてみせると、
拓斗は苦笑して『ハイハイ、
もういいよ』とへたり込む花乃の
頭を撫でた。


そのまま腕を引っ張って立たせて
くれ、スカートについたホコリを
パンパンと払ってくれる。


ありがと、とお礼を言う花乃に
小さく笑い返して、


「ま、別に1時間くらい帰りが
遅れたって、ぜんぜんいーん
だけどネ。

その分、花乃さんと2人きりで
いられる時間増えたし♪」


――むぅ、
やっぱりただのイジワルだった
んだ。