花とアイドル☆《完》

互いの鼓動が重なる音を聞き
ながら、花乃は目を閉じる。


「あたしも、大好き……」


拓斗の体が、自分を包んでくれて
いる。


それだけで、こんなに安心して、
満たされた気持ちになる。


――軽井沢の山道で泣いてたとき
も、こんなふうに抱きしめて
もらって、すごく安心したっけ
……。




でも、今日は。


それよりも100倍くらい、幸せな
気持ちだよ。


あたしを選んでくれて、
ありがとう……。




拓斗の腕が緩み、花乃の頬に
暖かい指先が触れた。


「花乃さん――信じてね?

オレ、こんな仕事だから……演技
で、イロイロすることあるけど。

ホントのキスは、花乃さんにしかしないから――」



「うん――」