花とアイドル☆《完》

――――え?



……今、なんて言ったの?




花乃は、自分の聞いた言葉が
信じられなかった。


ただ――触れ合った手から伝わる
暖かさと鼓動が、徐々に体を
満たしていき。


トクントクンと、心臓のリズムが
大きく、速くなってくるのを。

思考回路が止まった頭のどこかで
、感じていた。



「おねーさんじゃ、イヤだから。

もっと近くで、オレのこと見てて
欲しいんだ。

花乃さんが傍にいてくれたら、
オレ、ずっと前向きに頑張れると
思うから……」



――そんな……。



前向きに頑張ることを教えて
もらったのは、あたしの方だよ。


夢に向かって一生懸命の拓斗クン。


あたしは、まだ自分の夢も見つ
かってない、ただの中途半端な
女のコだけど……。


拓斗クンを見てると、自分も
頑張らなきゃって思える。