花とアイドル☆《完》

突然言われた言葉の意味が、
ピンとこなくて。


花乃はただ、キョトンと目を
丸くする。


「ずっと迷ってたんだ。

オレなんかに言われても、迷惑
かもって。

フツーの付き合いは絶対でき
ないし、振り回すだろうし……」


花乃を見つめたまま、拓斗は一言
ずつ丁寧に、言葉を紡ぐ。


花乃は、その瞳に吸い込まれ――
まるで心地よいメロディーを聞く
ような感覚で、耳を傾けていた。


「でもやっぱ、ガマンできそーに
ないや。

花乃さん―――」


フワリと、拓斗の指先が花乃の
掌に触れた。


驚きで小さく震えた花乃の手を、
拓斗の指はそのまま優しく包み
込む。



そして――。



「オレのカノジョになってよ」