花とアイドル☆《完》

花乃はとたんに耳まで真っ赤に
して、勢いよくそれをソファの
上に放り投げた。


「ゴメンッ!

散らかってたからつい……!」


そう説明する声は、完全にうわ
ずっていた。


そのあまりの照れように、拓斗も
ちょっと面くらったようだけれど。


すぐに、困惑したような微笑を
浮かべて、


「あー 悪い、だらしなくて。

忙しいとついテキトーになっちゃ
うんだよね

でもあの、言ってくれればちゃん
と片付けるから。

わざわざ花乃さんがやってくれ
なくてもいいよ?」


「え――あ、そんなつもりじゃ
……!」


――どーしようっ。

なんかイヤミで片付けたみたいに
思われてる!?


「べ、別に、散らかってるのイヤ
だったとか、そーゆーんじゃ
ないの!」