アイドルとしてじゃない。
ただの『本郷拓斗』を、もっと
知りたい。
そして――こんなふうにそっと
見守って。
お節介かもしれないけど、ちょこ
っとだけ、お手伝いしてみたり
して。
一生懸命な拓斗を、助けてあげ
られればいいのに……。
いつのまにか、花乃は服をたたむ
手を止めて、それをぎゅっと
握りしめてしまっていた。
なんだか、やけに切なくて――
胸が苦しい。
と、そのとき。
シーツのすれるかすかな音と
同時に――フワリとした優しい
声が、花乃の名を呼んだ。
「………花乃さん?」
―――――!!
花乃は弾かれたように振り返る。
いつのまにか、拓斗が目覚めて、
ベッドの上で上半身を起こして
いた。
「た、拓斗ク……」
ただの『本郷拓斗』を、もっと
知りたい。
そして――こんなふうにそっと
見守って。
お節介かもしれないけど、ちょこ
っとだけ、お手伝いしてみたり
して。
一生懸命な拓斗を、助けてあげ
られればいいのに……。
いつのまにか、花乃は服をたたむ
手を止めて、それをぎゅっと
握りしめてしまっていた。
なんだか、やけに切なくて――
胸が苦しい。
と、そのとき。
シーツのすれるかすかな音と
同時に――フワリとした優しい
声が、花乃の名を呼んだ。
「………花乃さん?」
―――――!!
花乃は弾かれたように振り返る。
いつのまにか、拓斗が目覚めて、
ベッドの上で上半身を起こして
いた。
「た、拓斗ク……」

