花とアイドル☆《完》

そんな遥に、拓斗はもう一度、
真剣な声で伝えた。


「オレにとってお前は、昔も
今も、イチバンの親友だよ。

それだけは、絶対間違いない」


「拓斗……!」


遥の瞳が、大きく揺らいで。

こらえ切れなくなった涙が、
雫となっていくつか落ちる。


遥はうわずった声で、


「ボクも、拓斗を信じれてなかっ
た。

拓斗は変わった、ボクは必要と
されなくなったって、ずっと
思ってた。

だから――友達でいられないなら
、一番のファンになろうって。

そう考えることで、必死に自分を
支えてたんだ……」


「遥…………」


「それでボクは――花乃さんに
嫉妬した。

ボクは陰から見ているしかなく
なったのに、花乃さんは一緒の
家で、拓斗のすぐ近くで暮らし
てる。

それが許せなくて――」