花とアイドル☆《完》

もし、自分と会っているところを
マスコミ関係者に見られたらと
思うと、簡単に会う約束もでき
なかったこと――。



ほとんどが、花乃の思っていた
とおりのことだった。


――やっぱり、そうだったんだ。

拓斗クンが遥クンと会えなかった
のも、遥クンのことを想えばこそ
だったんだよね……。


話を終えると、拓斗は遥に向かっ
て、頭を下げた。


「ホントにゴメン。

オレが中途半端だったせいで、
遥にまでツライ思いさせて」


「そんな……そんなこと――迷惑
だなんて、ボクはちっとも思って
ないのに……!」


怒りと悲しみと、喜びが入り
混じった複雑な表情で、遥は肩を
震わせていた。


「そーだよな。

オレが、みんなを信じられなかっ
たのがいけないんだ。

でも――今は、違うから」