その瞳に、さっきまでのいぶかし
げな色はない。
純粋に、遥のことを知ろうとして
くれてる――そんなふうに、
花乃には見えた。
「遥クン――?」
――がんばって。
勇気を出して。
伝えなきゃ、何も始まらない
――。
花乃と拓斗が見守るなか、遥は
まだ決心がつかないようで、
しばらく黙り込んでいた。
花乃は、まだ掴んだままだった
遥の腕を、きゅっと、気持ちを
込めて握る。
それが、伝わったのかどうかは
分からないけれど。
やがて遥は、そっと反対の手を
かけて花乃の手を解くと。
最初に、一瞬だけ花乃を見て――。
そして、拓斗に向かって、ポツ
ポツと話し出した。
げな色はない。
純粋に、遥のことを知ろうとして
くれてる――そんなふうに、
花乃には見えた。
「遥クン――?」
――がんばって。
勇気を出して。
伝えなきゃ、何も始まらない
――。
花乃と拓斗が見守るなか、遥は
まだ決心がつかないようで、
しばらく黙り込んでいた。
花乃は、まだ掴んだままだった
遥の腕を、きゅっと、気持ちを
込めて握る。
それが、伝わったのかどうかは
分からないけれど。
やがて遥は、そっと反対の手を
かけて花乃の手を解くと。
最初に、一瞬だけ花乃を見て――。
そして、拓斗に向かって、ポツ
ポツと話し出した。

