花とアイドル☆《完》

「何す……!」


すがりつくように、しっかり腕を
掴まれて。


遥は、目を見張って花乃を見る。


拓斗も、驚きの眼差しを向けて
いた。


花乃は、ジッと遥を見上げて、
黙って首を横に振った。


――遥クン……それは違う。


そう、思いを込めて。


遥の気持ちを、自分が口にする
べきではないと思って。


拓斗に聞かれても話さなかった
し、今も、遥が真実を話すつもり
なら、黙ってそれを見守ろうと
思っていた。


でも――やっぱり、今の遥を
黙って見ていることは、でき
なかった。


――遥クン……話すつもりみたい
だけど。

でも、自分の気持ちを拓斗クンに
分かって欲しいからじゃない……。


遥の、諦めたような悲しい微笑み
と、暗い瞳を見て、気づいた。