花とアイドル☆《完》

「――やっぱ、そーだったのか」


拓斗は鎮痛な面持ちで、ため息を
吐きつつそう言う。


「そもそも、ボクが花乃さんを
連れ出したんだ。

だから、責めないであげて」


「お前が―――!?」


「うん。

ボク、ずっと前から花乃さんと
話がしたいと思ってたから、
我慢できなくなってさ……」


「ずっとって――何言ってんだ?

花乃さんとは昨日会ったばっか
じゃ……」


さすがの拓斗も、遥が全く別の
形で、もっと前から花乃を知って
いたなんて、思いもよらないの
だろう。


拓斗は、混乱のあまり眉をひそめ
て、遥に迫る。


「違うんだよ、拓斗。

ボクは――。

―――――!?」


唐突に言葉を切って、遥はハッと
身を強張らせた。


……花乃が、その右腕をギュッと
掴んだからだ。