花とアイドル☆《完》

「遥―――!」


拓斗が、腰を浮かしながらその
名前を呼ぶ。


「お前、教会に戻ったんじゃ?

今、母さん達にお前探してもらっ
て――」


「戻ったけど、二人を見かけた
から、ボクもこっちへ来たんだ」


拓斗の問いにかぶせるように、
そう答えると。


遥は一歩ずつ踏み締めるように
駐車場の中へ入り、花乃達のいる
場所へ近づいてきた。


「って、
ついてきてたってことか?

声かければいいだろ?」


「うん……ゴメン。

できなくて」


「できないって……」


「拓斗クン、待って!」


なおも遥を問い詰めようとする
拓斗を、花乃はたまらずに遮った。


「花乃さん……!」


拓斗が意外そうに目を見張って、
花乃を見る。


拓斗にしてみれば、よく分から
ないことだらけで、ヤキモキして
いるだろう。