花とアイドル☆《完》

――いけないっ……。


拓斗は、察しがいいし、頭の
回転が速い。


ウソの苦手な花乃の不自然さなん
て、気をつけなければあっという
間に見抜いてしまうのに……。


花乃はあわてて取り繕おうとした
が、すでに遅かった。


拓斗は真剣な顔つきで、


「さっき会ったときの遥も、
何だかおかしかった。

もしかして花乃さん、遥と何か
あったのか――?」


「違―――!」



『違うの』と言おうとした花乃の
声に。


もうひとつ、別の声が重なった。


「いいですよ、花乃さん」


「――――!?」


花乃と拓斗は、驚いてほぼ同時に
声のした方を振り返る。


視線の先……駐車場の入口に
ごく近い道路に、声の主の姿が
あった。