花とアイドル☆《完》

「ゴメンね――。

でも、拓斗クンが思ってるような
危ないこととかは、ホントに
何もないから。

足も……あたしが一人で転ん
じゃっただけなの」


「花乃さん……」


こんな曖昧な言い訳で、何かを
隠していると気づかないわけは
ない。


とうぜん、拓斗も気づいている
だろう。


でも、拓斗は、それ以上問い
つめることはしなかった。


「……分かった。

ホントに、危険な目にあった
わけじゃないんだね?」


「うん、ホントに」


「それならいいや。

花乃さんが無事だったら、いい」


「拓斗クン……」


――ゴメンね。ありがとう。


何も聞かないでいてくれる、
その優しさに。


花乃は心の中で、何度も『ありが
とう』を繰り返した……。



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