花とアイドル☆《完》

見つめる視界の奥の方から迫って
くる人影が、探し求めていた
人物のものだと気づくと。


拓斗は残りの体力を振り絞って
走るスピードを速め、大声でその
名前を呼んだ。


「遥―――!!」


教会とギャラリーの敷地内で、
二人を見つけられず。


駐車場の乗ってきた車の辺りも
確認し、そこでもないと分かる
と、もう他に道はないと、山奥に
続く方の道を駆け出したとき
だった。


まだ数10メートルも先、小指の
大きさほどにしか見えない遥は。


こちらに向かって、拓斗と同じ
ように走っているように見えた
が、拓斗の声に気づくと、唐突に
立ち止まった。


「―――――?」


怪訝に思いながらも、拓斗は走り
続け、ほどなくして遥の立つ
辺りへ到着する。


「遥――よかった、探してたん
だ……」