花とアイドル☆《完》

疼くような痛みからしても、捻挫
したに違いないだろう。


――サイアク……。


足に気をとられているうちに、
遥の足音はどんどん遠ざかり、
姿も視界から消えてしまった。


「どうしよう……」


一人地面に座り込んだまま、
花乃はほとんど無意識に、もう
一度呟く。


たった今起こったことへの驚きと
ショックが改めて襲ってきて、
頭がうまく働かない。

体に力も入らない。


ただ、怒りと悲しみに歪んで
いた、遥の顔を思い出すと。


――遥クンに、分かってもらえ
なかった……。


その悲しさが、花乃の胸を締め
付けた。


――きっと遥クン……拓斗クンに
会えない寂しさから、自分を
見失っちゃったんだ。