花とアイドル☆《完》

「思い出してよ。

あなたが知ってる拓斗クンって、
本当にそんな人なの?

違うよね……?」


芸能界という遠い世界に入った
からって。

忙しくて、会える時間が減って
しまったからって。


拓斗クンは、大切な親友を忘れ
たりなんかしない――。


拓斗クンは、そういう人。


「避けてるように思えたのは……
何か事情があるんだって。

どうしてそう、信じてあげられ
なかったの……?」


「ボ、ボクは……!」


フッと、花乃の腕にかかる力が
緩んだ。


遥は呆然とした表情で、必死で
何か言葉を探して、頬を震わせて
いる。


「ボクが……拓斗を信じられて
ないだって――?」


「――そうだよ。

本当の拓斗クンだって、分から
なくなってるじゃない……!」