花とアイドル☆《完》

結局、花乃は何も言うことが
できず、黙り込むしかなかった。


その様子を、遥は返す言葉がない
というようにとったのだろう。


再びフッと皮肉な笑みをもらす
と、まるで自分自身に言い聞かす
かのように、


「仕方ないんだ。

芸能界なんて、普通の価値観じゃ
やってけないに決まってる。

一般人の友達なんてかまってる
ヒマがなくなったって……拓斗の
せいじゃない」


「そ、それは違うよ!」


花乃はつい大声でそう言い返して
いた。


「違う? 何が違うんですか?」


「芸能界に入ったからって、
拓斗クンは変わったりなんかして
ないよ。

それに、一般人だからかまって
られないなんて、そんな考え方
するはずない」