花とアイドル☆《完》

遥はほんの少し言いづらそうに
ためらったが……やがて、どこか
自虐的な笑みを頬に張り付けて、


「父親にそうは言われても、時々
連絡くらいはしてたんです。

でも……拓斗もボクなんかに
かまってられなかったのかな。

ここ1年くらいは、避けられる
ようになって……」


「え……!?」


「実は今回の誘いがあったとき、
すぐ信じられなかったくらいで。

それまではホント、嫌われたの
かなって思ってたから」


「ちょ、ちょっと待って……」


――拓斗クンが、親友だって
言ってた遥クンを避けるなんて
……考えられないよ。


花乃にも、拓斗は遥のことを、
本当に気心のしれた相手だと
話していた。