花とアイドル☆《完》

「ボクの父親は、昔おじさんに
仕事でお世話になってて、すごく
恩を感じてて。

だから、絶対協力してあげよう
って言って――迷惑かけるといけ
ないから、ボクにも、あんまり
本郷家に出入りするなって言った
んです」


そう話す遥の表情は、悲しみに
満ちていて。


それが親友のためとはいえ、
どれだけ寂しかったかが花乃にも
伝わってくるように思えた。


「じゃあ、1年以上も会って
なかったのって、本当はそれが
原因で……?」


「それもあるし、拓斗が忙し過ぎ
たのもホントだし。

それに――」


「――――?」


遥が言葉を切ったので、花乃は
先の言葉を待って首をかしげた。