花とアイドル☆《完》

その言葉に、遥はピクリと眉を
吊り上げた。


「それができたら、そーして
ますよ!

でも……できなかったんだ」


「できなかったって……どうし
て?」


「ボクの家と拓斗の家は、父親
同士も仲がいいんです。

知らないでしょうけど、家だって
歩いて15分もしないくらい、近所
なんですよ」


「そうだったんだ……」


「だから、遥が芸能界にデビュー
することになったときも、あなた
が下宿することになったときも。

おじさんから、父親に連絡が
ありました。

迷惑かけるかもしれないけど、
マスコミに騒がれたりしないよう
、協力してほしいって」


それは、花乃もすでに知っている
ことだったので、すんなりと
理解できた。