花とアイドル☆《完》

そう。

みずほに教えてもらった『マキノ
ハルカ』という生徒は、拓斗の大
ファンという『女のコ』だった。


みずほから、その生徒の名前を
聞いたとき。


同じ名前を耳にして、まさかと
いう考えがなかったわけじゃない
けれど。

性別が違うこともあって、そんな
ことはありえないと思っていたの
だが……。


「女のコのふり、してたのね。

どうして、そんなことまでして
……」


「だって、気になるじゃない
ですか。

拓斗と一緒に住むのが、どんな
人か」


それが当然、というように、
平然とした顔で遥は言い切る。


「気になったって、普通そんな
ことしないよ……。

拓斗クンに、直接聞いたりすれば
いいじゃない」