花とアイドル☆《完》

――そっか……中学のときからの
付き合いなんだもんね。

拓斗クンの性格も、よく分かって
るよね。


「もうちょっとかかるかもしれな
いし、お茶、いれますね」


「あ、いえ、お気遣いなく。

ボクも飲み物は持ってきてるんで」


そう言って、遥はバッグをポン
ポンと叩く。


「それより……一応聞いちゃい
ますけど、堀内さんが今ここに
下宿してる人、ですよね?」


「あ、はい。そうです」


「よかった。

お手伝いさんが変わったとは
聞いてないんで、たぶんそうか
なー、って思ってたんですけど」


花乃の存在を訝しむ様子がなかっ
たので、拓斗から話が伝わって
いるのだろうとは感じていたが、
どうやら確信が持てていなかった
ようだ。