花とアイドル☆《完》

――高校生というよりは、中学生
のコみたい……。


失礼と思いつつもついそんなこと
を考えていると。


目の前の彼が、ペコリと頭を
下げて名乗った。


「はじめまして。

牧野遥(まきの・はるか)です」


「あっ、はじめまして!

堀内花乃です。

えと、どうぞ上がってください」


花乃がそう告げると、彼――遥は
『どうも』と言って家にあがる。


上の階ではいまだドタバタと物音
がしているので、花乃は遥を
ソファに案内した。


「すいません、
みんなまだ支度中で……」


「みたいですね。

大丈夫です、たぶんそうだろうと
思ってましたから」


よいしょ、と重そうなバッグを
ソファに起きながら、遥はにこや
かな笑顔を見せた。