花とアイドル☆《完》

「えっと、拓斗クンは今ちょっと
手が離せないんですが……。

一緒に行くお友達ですよね?」


『あ、はい、そうです!』


「分かりました、
どうぞお入りください」


肯定の声に花乃はすぐさま解錠
ボタンを押し、少年を出迎える
べく玄関に移動した。


やがて、再度玄関先のインター
ホンを鳴らし、花乃に迎え入れ
られて登場したのは――。


――わ、かわいい……!


拓斗の友人、ということで花乃が
なんとなくイメージしていたのと
は、ずいぶん掛け離れた感じの
少年だった。


背は、花乃よりはもちろん高い
けど、男のコとしては低め。

色白で、緩くウェーブしたやや
長めの髪。

それに、二重のパッチリとした
瞳が、かなりカワイイ印象を
与えている。