花とアイドル☆《完》

期待のあまり早朝に目覚め、
すっかり用意の整ってしまった
花乃は、リビングで一人紅茶を
飲んでいた。


遠くではバタバタという物音や、
愛香さんと拓斗の、

『やーん、入りきらな〜い』

とか、

『あれぇ、あの服どこだっけ!?』

という慌ただしい声がかすかに
聞こえている。


――二人とも、大丈夫かな

やっぱり、親子だなぁ


達也さんはさすがにまるまる
2日も休みをとれなかったので、
遅れて今晩合流することになって
いる。


他のみんなは奈津美さんが手配
したレンタカーで、ここから、
車で移動する予定だ。


――そろそろ奈津美さんも来る
頃かな?


そう思ったちょうどその時、
インターホンの音が鳴り響く。