花とアイドル☆《完》

それを思い出すと同時に頭をよぎったのは。


さっき、庭で見た少年。


桜の花びらの舞う中、こちらを見つめていた真っすぐな瞳。


もしかしたら、彼が…?


――で、でも、愛香さん今『仕事が忙しい』って言ったよね。

あの子、どう見てもまだ学生って感じだし……じゃぁあの子は違うのかなぁ。


またも鼓動が速くなるのを感じながら、花乃は思考を巡らす。