花とアイドル☆《完》

「そもそも、カナちゃんは心配性
過ぎなのよ。

バレる前からそんなことばっかり
考えてたってしょーがないじゃ
ない。

それに、カナちゃんが今まで
どおりしっかりマネージメント
してくれれば、バレる可能性なん
てほとんどないし、送り迎え
だってカナちゃんの黒塗りの車
なんだし、カナちゃんが――、」


「――――分かりました!」


花乃が今まで見たなかでは、
珍しく声を張り上げて、朱鷺田
さんが愛香さんの言葉を遮った。


「……もうけっこうです。

よく分かりましたので、その呼び
方を連呼するのはやめて下さい」


やや早口にそう付け加える。


花乃がそっとうかがってみると、
少しだけだが、頬も赤らんでいる
ような気がした。